KR QUANTECおよびKUKA.CNCを使った表面加工

「KUKA.CNC」ソフトウェアを採用し、表面加工の新たな道に挑んだ SEMATEK GmbH 社。

ドイツ・アルゴイ地方ゼークに拠点を置くSEMATEK GmbH社は、2007年から最新型の製造工場を対象にした、機械製造の革新的な包括的ソリューションを開発しています。こうした工場は新型製品の生産プロセスには欠かせず、加えて既存のプロセスを強化・最適化するのが目的です。同社では、このように常にコストの削減と生産性の向上に重点を置いてきました。

表面研磨のオートメーション

ボディー部品の深絞り用工具、複合材料でできたコンポーネントのはめ込み型、プラスチック部品の射出成形金型など、フライス加工後の形成工具の研磨、仕上げは今でもその多くが手作業で行われています。一方、高度にオートメーション化された企業では、最高で20人日を要する大型の自由曲面研削もあります。表面加工技術の進歩に伴い、プロセスは非常に臨機応変で精確かつ信頼性の高いもの、そして可能な限り経済効率を高めたものが求められています。

今回の目標は自動化が可能な方式によって、金属の表面を高品質な機能表面へと変貌させることでした。そこでワーク表面をならすハンマー作業を「機械ハンマーピーニング」(Machine Hammer Peening)というアプリケーションで可能にしました。この工程で扱う複雑なワークの表面をオートメーションで加工するために、SEMATEK社はKUKAロボットKUKA.CNCソフトウェアを採用することにしたのです。

KUKA.CNCにより制御されるKUKA KR QUANTEC

KR QUANTECシリーズのKUKAロボットのフランジには、線形振動するハンマーヘッド(3S-Engineering GmbH社製FORGEfix)を備えた空気圧駆動ツールが搭載してあり、表面の機械加工を行います。ロボットによるワークの計測が終わると、KUKAのソフトウェアKUKA.CNCによってハンマーヘッドが表面の鍛造動作経路をなぞります。この時、フライスの溝部分にある窪みの下に、フライスの先端が押し込まれます。球の直径、送り速度、軌道の間隔、表面と打ち込みの角度などは、プロセスに応じて選択あるいは設定することが可能です。

SEMATEK社が加工ヘッドの計測に選んだのは、LEONI GmbH社の5D測定システムでした。この方法を使うと、ツール中心点 (TCP) の測定だけではなく、ツールの向きが極限まで正確に測れるようになります。最高の加工精度を追求する上で、ツールの向きは特に5軸CNCプログラムの処理において重要な要素になります。

すべてGコードでロボットをプログラミング

KUKA KR 240 R2900はリーチとフレキシビリティを特長としています。5軸加工を用いた戦略に欠かせないコンポーネントは、ロボットを投入すれば明確なコスト上のメリットが得られます。ロボットの設定とプログラミングを楽にするため、KUKAはコントローラにCNCコア一式を搭載し、KUKA.CNCソフトウェアを開発しました。

このソフトウェアではロボットの動きをDIN 66025またはGコードに完全に準拠した形でプログラミングできます。プログラムはCAD/CAMシステムで作成でき、特殊なロボットプログラムに変換(ロボット言語に翻訳)することなく KUKAコントローラに反映することができます。

KUKAのロボットは線形振動するハンマーヘッドをツールとして用いて表面加工を行います。
もう一つのメリットは、ツール半径補正や交換用ツール等のCNCによる機能を問題なく使用できるという点です。SEMATEK社はシミュレーションモジュールを用いてプロセスチェーンを加え、システム全体のリーチと衝突防止を強化しています。それにより、ロボットを本格的なCNCマシンとして使用でき、経路パフォーマンスがさらに高まっているため、すべての部品を均一に加工できます。

最短時間で最高の品質

ハンマーはフライス加工後の表面をならすとともに、表面を強化することで残留応力分布の最適化にも寄与します。こうして表面は均一化され、再生性を得ます。このハンマー作業により、フライス加工だけでは決して到達できない0.1 µm未満という算術平均粗さ(Ra)が可能になりました。加工する素材によっては、加工硬化を用いることで表面硬度が最大30パーセントも高くなります。作業によっては表面の追加的な後処理を、完全に不要にすることもできます。特に、ハンマー作業を自動にすると手作業の研削・研磨作業が省けるのです。

仕上げにかかる時間、ひいては製造工程全体を大幅に短縮することができ、特に単純作業を減らすことができるようになりました。KUKA ロボットは、複雑な自由曲面の加工にも対応可能です。ここでは多くの場合コンポーネント一式の加工が可能なため、コストも時間もかかる掴み替えが不要になります。きわめて精確なロボットの経路計画により、高速での作業がと低オーバーラップでの進行が両立します。すなわち、最短時間で最高の結果が得られるのです。

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