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自動車産業におけるAGVソリューション「車体製造におけるマイルストーン」

プレミアムカーメーカーの車体工場で、生産工程の自動化をより安全で効率的にする無人搬送システム


インテリジェントなイントラロジスティクスのマイルストーン

KUKAはゼネコンとして、セーフティーコンセプトの策定から企画、エンジニアリング、シミュレーション、プロジェクト管理に至るまで、無人搬送システム(AGV)のシステムインテグレートを車体製造全体に適用。米国タスカルーサにあるホワイトボディ製造工場のAGVシステムは、未来指向のパイロットプロジェクトで、AGVシステム支援型車体製造にマイルストーンを設定しています。

インテリジェントにネットワーク化された無人搬送システムにより、プラントの連携がスムーズになり、従業員の安全性が高まりました。

KUKA AGVソリューション部門長 ミヒャエル・ユルゲンス

オートメーション化された車体製造ラインをフレキシブルに連携

車体製造、いわゆるホワイトボディ製造では、3つの車体モデルの基本構造を製造。アンダーボディがサイドウォールとルーフに接合、溶接された後、エンジンフード、テールゲート、ドアなどが取り付けられます。ホワイトボディの製造は、KUKA KR QUANTEC、KUKA KR FORTECなどのKUKAロボットを使用して全自動化されています。

KUKAは、この製造部門内のスムーズなシステムの連携をメルセデスベンツ社より受託。ミヒャエル・ユルゲンス氏は「ゼネコンとして、すべてのプロセスステップとワークフローを立案し、すべての取引で複雑なプロジェクト処理を成功させるために必要なエンジニアリングのノウハウを持っています。」と説明しています。

KUKAはAGVシステムのセーフティコンセプトを策定し、約100台のAGVを使用したフレキシブルなシステム連携を企画、シミュレーションした後、2018年秋の製造開始までの間、AGVシステムの導入を取りまとめました。


約100台のAGVが、車体構成部品や車体全体の輸送を分担。

フォークリフトなしで安全を確保

従業員の安全性を向上させるため、車体加工ステーション間のパーツの搬送はフォークリフトを使用しません。部品やボディが各工程のステーションにジャストタイムで到着するように、AGVシステムを開発。この効率的なイントラロジスティクスソリューションでは、約100台のAGVが各車両モデルに必要な部品を適切なタイミングで適切な製造ステーションに搬送するよう調整し、中間バッファーなしで組み立てられ、ここでは2つのプロセスモジュールで多数の作業ステップが同時に行われています。

またAGVは、工場内の人員との相互作用のために高度な安全基準を満たす必要があるため、光センサーを使用して、運転エリアに人や障害物があるかどうかを検知します。
「検知した場合、AGVは停止し安全を確保。また音と光で警告を行います。」とフェリックス・ショーン氏は説明します。「ルートから人員や障害物がなくなってから、搬送を再開します。」

このプロジェクトの特別な課題は、プラント連携の複雑さと範囲にありました。AGVを集中制御すると同時に、自在なナビゲーションによる柔軟なルートガイドを実現したのがイントラロジスティクスソリューションです。

KUKA AGVソリューション部門プロジェクトマネージャー フェリックス・ショーン

厳しい製造環境での自在なナビゲーション

AGVのナビゲーションは、工場全体に広がるマグネットグリッドネットを介して行われます。そのために、製造エリアの床の中には、一定間隔でマグネットポイントが埋め込まれています。この位置確認ガイドを基に、無人搬送車のセンサーが正確な位置を検知し、それを中央主制御装置に通知します。中央誘導システムは往来シミュレーションと車両制御を行い、11の交差ループ上で最適ルートに沿って部品を適切なタイミングで適切な場所に搬送するようAGVを調整します。

KUKAのAGVシステムが、車体製造の様々なエリアを接続。

直観的な中央制御コンセプト

AGVシステムの主制御装置は、メルセデスベンツ社の製造管理システムに直接接続されており、AGVは誘導システムに介入することなく、より高度な製造計画に自動的に適応します。祝日や連休などの製造休止時には、自動的に最大92時間スタンバイモードになり、この期間内に製造が再開されると自動的にタスクを再開します。

このシステムでは全自動充電管理も行われており、AGVが自律的に充電ステーションまで走行するため、年中無休の作動が可能。またグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)により、新しいルートの計画やシミュレーションを簡単で直感的に行うことも可能で、製造システムと同レベルのシステム連携により、新モデルシリーズの統合などの製造インフラの変更に迅速で容易に対応することができます。
車体工場の過酷な環境では、光センサーが溶接ダストなどで汚れてしまうことがありますが、マグネットグリッドを使用したナビゲーションは、汚れにくく堅牢であり特に信頼性が高いというメリットもあります。



インテリジェントなイントラロジスティクスのマイルストーンとして、関わった全ての方とこのプロジェクトを実現できたことを誇りに思います。さらなる協力とノウハウへの信頼を得られたことも嬉しく思います。

KUKA AGVソリューション部門プロジェクトマネージャー フェリックス・ショーン

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