
自律型オールラウンダー:クリーンルーム対応ロボットKMR iisy CRが業界標準に
半導体およびエレクトロニクス産業向けの効率的なオートメーション:KMR iisy CRにより、KUKAは多機能自律型移動ロボット (AMR) を、耐荷重クラス11kgおよび15kgのクリーンルームでのインテリジェントな使用向けモデルとして提供します。クリーンルーム用モデルは、DIN EN ISO 14644-1に準拠したISOクリーンルームクラス3の要件を満たし、フラウンホーファー研究所の認証を受けています。
2025年6月17日
半導体産業および高感度クリーンルーム対応自律型移動ロボット
移動型プラットフォームと6軸ロボット LBR iisy CRで構成されるKMR iisy CRは、クリーンルームでの作業に理想的なモバイルマニピュレータです。低微粒子および低エミッション特性を持ち、ESD認証を受けています。迅速で簡単な設置の後、 ピックアンドプレース作業、材料搬送または倉庫でのパレタイジング作業を、半導体製造だけでなく、エレクトロニクス産業のさまざまな分野で、効率的かつコスト効率よく実施することができます。

認証の過程において、フラウンホーファー研究所はこの自律型移動ロボットの静電気放電性およびアウトガス挙動も確認しました。そのため、クリーンルームに最適であることは明らかです。ここでは、従来の材料搬送方法による制限を受けることなく、いくつものステーションをつなぐことが可能です。さらに、さまざまな製品間での素早い切り替えが可能であるため、小ロット生産でも競争力のある価格を実現できます。

ハードウェアとソフトウェアの先駆的な連携
プラットフォームは、実績のあるAIベースのソフトウェアソリューションKUKA.AMR Fleetをフリート管理に利用していますが、ロボットのアームはiiQKA.OS2で動作しています。スケーラブルで柔軟にカスタマイズ可能なこのオペレーティングシステムは、完全なバーチャルロボットコントローラー (Virtual Robot Controller/VRC) を備え、AI対応、サイバーレジリエンスを持ち、さらに新しいISO 10218規格への準拠により、将来のデジタル製造に理想的な装備となっています。そのため、ハードウェアだけでなく内部のソフトウェアもKUKA製であり、両者を直接連携することが可能です。インテリジェントシステムは、生産現場での高い要求水準の作業にも対応できます。
移動ロボット導入によるメリット:精密部品の生産に最適な費用対効果を実現
ロボットアームの6つの軸すべてにこのために開発されたシールが使用されており、ISOクリーンルームクラス3の基準に適合するために必要な微粒子低排出を保証します。さらにロボットには、アンモニアや炭化水素ガスの排出を最小限に抑えるための、クリーンルームに適合した素材が使用されています。ロボット全体の導電性はDIN EN 61340規格への準拠が保証されているため、ウェハーなどの精密部品が静電気放電によって損傷することはありません。ロボットは完成後、お客様に配送される前に、クリーンルーム条件下で再度クリーニングされます。クリーンルーム機器用の特殊梱包により、輸送中の微粒子汚染を確実に防止します。ロボットの表面は、一般的な洗浄剤に対して耐性があります。
半導体生産の新基準
柔軟な切り替え機能により、KMR iisy CRは半導体や電子部品の製造などにおいて、生産数が多い場合だけでなく少ない場合にも導入する価値があります。クリーンルーム向け移動ロボットが活用される用途には、FOUPs (Front Opening Unified Pods)、SMIF PODsまたはオープンカセットの安全な取扱いがあります。オプションとして、この移動ロボットは半導体業界で標準化されているE82およびE84インターフェースに対応しており、既存のマテリアルコントロールシステムへのスムーズな統合が可能です。